診療・各部門
当院放射線科は放射線科医師(常勤医1名、非常勤医2名)による画像診断、IVR(インターベンショナルラジオロジー)を行っております。
また放射線を用いた一般撮影やCT、磁気を用いたMRIなどの各種検査、健診センターでの検診業務などを診療放射線師11名、看護師2名で行っております。
医療画像のめざましい進歩に遅れないよう技術修得に絶えず努め、より質の高い医療技術、医療被ばくの適正化など、患者さんにやさしい医療をめざしています。
実 積
院内業務
検査名 | 検査件数 | |
---|---|---|
2022年度 | 2023年度 | |
一般撮影 | 15,124 | 15,043 |
CT | 5,769 | 5,333 |
CT(他院からの紹介) | 465 | 456 |
MRI | 2,526 | 2,612 |
MRI(他院からの紹介) | 649 | 687 |
RI | 79(7ヶ月) | 58(6ヶ月) |
RI(他院からの紹介) | 49(7ヶ月) | 33(6ヶ月) |
TV | 352 | 326 |
マンモ | 47 | 38 |
骨密度 | 532 | 651 |
血管造影 | 8(7ヶ月) | 34 |
健診センター業務
検査名 | 検査件数 | |
---|---|---|
2022年度 | 2023年度 | |
検診胸部 | 15,129 | 14,452 |
検診胃透視 | 6,128 | 5,815 |
検診マンモグラフィ | 2,127 | 2,062 |
検診骨密度 | 262 | 187 |
検査・特徴
一般撮影
一般的に言われるレントゲン検査です。
胸部腹部、骨等の撮影をはじめ、マンモグラフィ撮影。歯科撮影。手術室、病室に対してのポータブル撮影を行っています。
フィルムレス化と、FPDの採用により、画像出力の待ち時間が少なくなりました。
検査の注意事項
撮影する部位に、金属、プラスチック等の装飾品があると診断の妨げになります。
ボタンのついたシャツ、ネックレス、ヘアピン、カイロ、ブラジャー等は外していただくことがあります。
マンモグラフィ
乳房X線撮影装置です。
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会の施設認定を取得しており、検査を担当する技師も認定資格を取得しています。
(当院では、3名の女性認定技師がマンモグラフィ検査を行っております)
検査時間
10~15分
検査を受ける方へ
上半身は裸になっていただき、髪の毛が写らないようにまとめていただきます。
豊胸手術やペースメーカーの埋め込みをされている方は撮影前にお申し出下さい。
良い写真を撮影するために、乳房を圧迫して撮影しますが、我慢できない場合はお知らせ下さい。
X線TV検査
X線で人体内を透視しながら検査を行ないます。TVと同じように動画で見ることができます。
胃等の消化器系透視、泌尿器系の造影検査を行います。
CT検査
CTとは、Computed Tomographyの略称で、X線とコンピュータを利用して、臓器など体内組織のX線吸収量の差を表示することで、人体の輪切りの画像を撮影する検査です。必要に応じて造影剤を併用することにより血管や臓器の状態を、より詳細に診断することができます。
当院では、80列MDCTで検査を行っています。1回の息止め(約15秒)で全身の撮影が可能です。
検査時間
単純撮影(造影無し撮影)で5~10分、造影検査は20~30分で終了します。
注意事項
原則予約検査となります。
造影剤を使用する場合は午前検査の場合は朝食絶食、午後検査の場合は昼食絶食です。検査前30分~1時間前に水分(水またはお茶)を300~500cc飲んでいて下さい。
金属類は画像にボケを生じさせますので、ネックレス、ヘアピン、カイロ、ブラジャー等金属類は外していただくことがあります。
妊娠中または妊娠の可能性のある方は、必ず検査前に担当技師にお申し付け下さい。
核医学(RI)検査
放射性医薬品を注射などにより体内へ投与し、主に臓器の機能情報を調べる検査です。
機能の評価は核医学検査の利点であり、診断や治療方針の決定により有用な情報を与えてくれます。
放射性医薬品には、ごく少量の放射性同位元素(Radioisotope)が含まれており、体内より放出される放射線を専用の装置(ガンマカメラ)で撮影します。
主な検査に、骨シンチ、脳血流シンチなどがあります。
骨シンチ
骨の状態や病気を評価する検査です。
癌が骨へ転移しているかどうかを調べるために頻繁に利用されます。
検査は、まず薬の注射を行い、骨に薬が充分に集積する注射後3時間ころから約40分程度の撮影をします。この検査だけなら食事制限はありません。
脳血流シンチ
脳の血流を評価する検査です。
脳血流のわずかな変化を検出することができ、脳血管障害の評価、認知症の鑑別診断などに非常に有効です。
検査時間は1時間程度です。食事制限はありません。
検査時間
薬を投与直後に撮影する検査、投与してから2日後に撮影する検査など、検査の内容、投与薬の違い、薬が目的臓器に集積するまでの時間の違いなどにより、さまざまです。目安として、
- 骨の検査は薬投与3時間後に約40分
- 脳血流の検査は薬投与直後~約50分
- 腫瘍(ガリウムシンチ)の検査は薬投与2日後に約60分
- 肝臓(肝受容体シンチ)・胆嚢(胆道シンチ)の検査は薬投与直後~約60分になります。
検査の注意事項
撮影する部位に、金属、プラスチック等があると診断の妨げになります。
ボタンのついたシャツ、ネックレス、ヘアピン、カイロ、ブラジャー、入れ歯等は外していただくことがあります。
検査前に食事制限があるもの、ないものなど検査の内容により違いがありますので、担当者にご確認下さい。
血管造影検査
カテーテルと呼ばれる細い管を血管に挿入し、造影剤を用いて目的部位の血管の走行をみる検査です。
IVR(interventional radiology)と呼ばれる血管造影手技を応用し、肝癌の塞栓療法、動注化学療法やラジオ波焼灼療法、また胆管への治療として経皮的胆管ドレナージなども行っています。
骨塩定量検査
GE社製PRODIGY-Cで検査を行っています。
低エネルギーX線を用いて骨の密度を測定します。測定値を標準値と比較することにより、骨塩量を測定します。
検査時間
約10分。仰向けに寝て撮影します。
検査の注意事項
撮影する部位に、金属、プラスチック等の装飾品があると診断の妨げになります。
ボタンのついたシャツ、ネックレス、ヘアピン、カイロ、ブラジャー等は外していただきます。
MRI検査
MRIとは磁気共鳴断層画像診断装置(Magnetic Resonance Imaging)の略です。
MRI装置とは?
強い磁石と電波によって体内の断層像を得ることができます。
その原理は
人体が強い磁石の中に入り電波を与えられると、体の中の水素原子が共鳴します。そして電波を止めると、その水素原子から微弱な電波がでます。
MRI検査とは
この微弱な電波を使って、体の中の様子を画像として見ることができる検査です。
当院では、3.0TMRI装置(PHILIPS社製Ingenia3.0T)が稼働しています。
磁場強度が1.5T(テスラ)から3.0T(テスラ)へと2倍になると、装置の性能は2倍からそれ以上となるとされ、以下のような有効性があります。
①MRI装置やコイルの性能向上により、撮影時間短縮、細かな部分までより高画質に撮影が可能になります。
②撮影視野の拡大
従来装置では2回に分けて撮影していたところが、1回で撮影可能になります。
例えば、頭部MRA(頭と首の血管撮影)が1回の撮影で可能になります。
③撮影部位、撮影方法の追加
従来装置では、撮影が難しかった、心臓、乳房、広範囲の非造影MRA(造影剤を用いない血管撮影)などが可能になります。
従来装置では少しでも動くと画像にブレが生じ、診断が難しい事もありましたが、新装置は動きに強い撮影方法も追加されます。
④ガントリー開口部が広い(従来60cm→今回70cm)
従来装置より圧迫感なく撮影が可能で、閉所が得意でない方、体の大きい方にも有効です。
側臥位(横向き)撮影も可能になり、仰臥位(仰向け)が困難な患者さんも撮影可能になります。
検査のためのお知らせ
<検査時間>
検査の内容によりますが、30分。45分。60分の設定で行なっています。
<検査の注意事項>
以下の方は検査を受けることができません!
- 心臓ペースメーカーを使用している方
(3T対応ペースメーカーの場合は、検査可能ですが、
事前に循環器内科への受診が必要となります。) - 人口内耳を使用している方
- 可動型義眼を使用している方
以下の方は場合によっては検査を受けることができません(医師と要相談)
- 脳動脈瘤の手術により金属クリップが入っている方
- 手術・事故等により金属が体内に入っている方
検査室への持込み制限
装置は強い磁石となっていますので、金属類・機械類は持ち込めません!
時計、携帯電話、磁気カード(キャッシュカード・駐車券・診察券など)等は、損壊の恐れがあります。
金属製品(鍵・装飾品・女性下着など)、カイロ、エレキバン等は、検査の妨げや結果に影響が生じます。
<予約検査となります>
原則予約検査となりますので、日時や注意事項を確認しておくようお願いします。
- 第一種放射線取扱主任者 1名
- X線CT認定技師 2名
- 胃がん検診専門技師 2名
- 検診マンモグラフィ撮影認定技師 3名
- 医療画像情報精度管理士 1名
- 臨床実習指導者 1名