近年認知症の方が増えてきており、早期発見、早期治療がますます重要になってきています。認知症の診断にはご本人の症状がまず大きな手掛かりになるのですが、時に認知症の診断に迷う場合があります。また認知症の中でもアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、脳血管性認知症などいろいろな疾患があり、いったいどの認知症なのか判断がつかない場合もあります。最近は脳画像診断法もかなり進歩してきており、認知症診断の大きな助けになることがあります。CTやMRI検査では主に脳の形をみることが可能で、脳の萎縮の程度などをみる事ができます。さらに健康な人の平均データと比較することで萎縮の度合いなどをより正確にみる方法もあります。また、認知症と似た症状がみられるものの手術などの治療で回復が可能な脳腫瘍や慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症などの病気もあり、CTやMRI検査ではこれらの病気を診断することが可能です。SPECT(スペクト)検査では主に脳の働きをみることが可能です。例えばアルツハイマー型認知症の人であれば頭頂葉といったように認知症のタイプによって脳の血流が低下しやすい部位がわかっていますが、脳血流シンチグラフィーを行うことで、脳のどの部位の血流が低下しているかを詳しくみることができます。また新しいSPECT検査でドパミン神経の状態を調べることが可能になり、レビー小体型認知症の診断に活用されています。当院ではこれらの画像検査を行うことが可能です。詳しくお知りになりたい方は、どうぞ脳神経外科に声をおかけ下さい。
脳神経外科 森崎訓明
MRI:VSRAD | RI:関心領域内の脳血流の低下の程度 |
MRI:FLAIR | RI:ダットスキャン |